ロシア料理といえばボルシチやピロシキ、ビーフストロガノフなどが日本でもよく知られているように、ロシアでもこれらの料理は懐かしい家庭料理として親しまれ、レストランへ行けば本場の味を楽しむことができます。またロシア料理だけでなくグルジア料理やウクライナ料理、ウズベク料理など、民族色豊かな料理を味わえるのも、100以上に上る民族が住むロシアならではの食の楽しみといえるでしょう。
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ロシアの食事 |
ロシアの食の特徴は、まず昼食を正餐としていること。前菜とパン、スープ、肉・魚料理、デザートとお茶、というようにしっかりと食事を取り、夕食は軽くという伝統が今でも受け継がれています。現在、普段の昼食をコースで食べることはなかなか難しくなりましたが、昼食を重く取る習慣はそのまま残っています。レストランでも基本的には昼がメインとなっているので、ロシアを訪れたらゆっくりと時間をかけて昼食を楽しんでみてください。
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ロシアの料理 |
豊富な前菜
気候の厳しいロシアでは、魚や肉の塩漬け、野菜やキノコの漬け物(ピクルス)、薫製といった食材が豊富に蓄えられていました。これらの食材は、現在もキャビアやサラダとともに前菜としてたっぷり振る舞われています。必ずブリヌイが添えられて出され、キャビアやイクラをブリヌイで包んで食べます。
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具だくさんのスープ
さまざまな食材を煮込んでその旨味を凝縮させた、具だくさんのスープがロシアのスープの特徴。日本でもおなじみのビーツのスープ「ボルシチ」はもちろん、あっさりした魚のスープ「ウハー」、野菜を煮込んだ「シチー」など、その種類は実に多彩です。
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ピローグとピロシキ
ピローグはロシア式パイのこと。パーティーなどで食卓をにぎわす料理の一つです。大きさや形、上に載せる具材も果物、肉、野菜とさまざまです。具を包み込んで焼いたものがピロシキです。
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ペリメニ
ロシア風水餃子。細かく刻んだ肉を薄くのばしたパン生地で包み込み、ゆでて作ります。具には肉以外にも、エビや魚、きのこなどを使うことがあります。通常、ペリメニはたくさん作って冷凍しておき、熱湯で戻して食べます。スメタナをかけて食べるのが一般的です。
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酸味のある黒パン
ロシア人にとってパンはとても大切なもの。客を迎えるときに、黒パンにひとつまみの塩を添えて歓迎する習慣があるほどです。最もポピュラーなのはライ麦から作る黒パンで、ビタミンB群、食物繊維、カルシウムなどの栄養素も豊富。噛みしめると酸味のある味わいが広がり、具だくさんのスープにもよく合います。
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森の贈り物“キノコ”
ロシア料理にはキノコがつきものです。豊かな森に恵まれ、暖かな季節には老若男女を問わずキノコ狩りに出かける習慣も。種類や料理法も実に豊富で、キノコの風味がロシア料理を一層味わい深いものにしています。
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ロシア料理のあれこれ |
ボルシチ:ポピュラーなビーツ(赤かぶ)のスープ。
シチー:さっぱりした野菜のスープ。
ウハー:白身魚(タイやスズキなど)のスープ。
ブリヌイ:ロシア風パンケーキ。ジャムやハチミツ、キャビアなどと一緒に。
プロフ:牛肉や羊肉を使ったロシアの炊き込みご飯。
ビーフストロガノフ:日本でもよく知られた牛肉の煮込み料理。
スメタナ:サワークリーム。さまざまな料理に添えて食べられる。
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ロシア料理には必ずウォッカ |
大麦・ライ麦などを主原料としたロシアの代表的な蒸留酒で、古来から親しまれてきました。「正しい」飲み方は、よく冷やしたウオツカを小さなグラスに注ぎ、ストレートで一気に飲み干すこと。そして、親しい仲間と一緒においしい料理とともに楽しく飲むことです。
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